邑(むら)へ
どしゃ降りの雨の中 軽トラを降りて僕はひとり
思い出のたくさんしみこんだ たんぼ道を歩いている
あれはもう何年も前 やるせない思いを友として
農村で何かを始めようと 邑久町あたりへ帰ってきた
その日も雨模様で かすかに赤穂線を走る 電車の音は心地よく
なぜか気持ちも安らいで この村のイチゴでも作る日が来ればいい
その頃はまだ新規就農者も あふれるほどの人数はなく
ほんのひとかたまりのパイオニア気取りが 明日について熱弁をふるっていた
時代を変えるのは常に青春で 老いた常識よりはるかに強く
たとえば嵐に飲み込まれても 歴史はそれを見逃さないだろう
見えない明日に向かって 僕らは進もうとした
あの時信じたものは 岩男先生や伏原先生の言葉
住み着いてしまっても 愛せる邑だった
愛した家族もいる 失敗に落ち込んだこともある
慰めたり慰められたり それも大きな一瞬だった
瀬戸内市邑久町は 誰にも語られなかったドラマを
懐かしい人がやってくると そっと話しかけてくれるに違いない
あなたの人生はいかが 若さはほろ苦いね
時には訪ねておいで 会えたら笑顔でむかえよう
変わってしまったのは 邑だけではないはずさ
Author: takapi55 Keywords: 吉田拓郎 原宿 1980年 Added: April 30, 2009

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